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最強の伸縮式警棒はどれですか?(警棒の強度と材質などに関するよくある質問について)

What is the most powerful baton?
鋼材(鋼種) 警棒に使用される鋼材、特に4130・4135・4140鋼などの違いによる強度の差に関心を持つ方は多く、その中でも「最強の警棒はどれか?」という質問がよく寄せられます。これは、日本だけでなく世界中で見受けられる質問です。 しかし、こうした質問に対して一概に答えることは非常に難しいのが実情です。警棒の強度は鋼材の種類だけでなく、製造過程、構造設計、使用される環境や状況等によって大きく変動します。例えば、同じ鋼種を使用した警棒でも各メーカーの製造方法や仕様、原材料の成分の差異等によって強度に差が生じる事があります。これらの為、鋼種だけから「最強の警棒」を特定する事は非常に困難です。
さらに、警棒の種類やロック機構(フリクションロック、メカニカルロック、長さ、重量配分等々)も強度に大きな影響を与えるため、単純に材質だけで最強の警棒を決める事はできません。例えば、警棒のサイズやロック機構が異なれば、同じ鋼材でも使用感や効果は全く異なる為、どの警棒が最強かを決める基準は人それぞれであり、一概には言えません。そして最も重要なのは、たとえ「最強の警棒」を手に入れたとしても使用者にその適切な技術がなければ、その威力を十分に発揮する事はありません。警棒の持つ潜在的な力を引き出すには、使用者の熟練度が重要な要素となります。未熟な技術では、どれだけ優れた装備を持っていても、その効果は限定的となり、結果として装備自体の価値を最大限に活かす事ができないのです。つまり、最強の警棒を選ぶ事よりも、適切な技術の習得と状況に応じた警棒(長さや重さなど)や装備の選定が使用者にとって最も重要な要素となります。
鋼種の特性 以下は鋼種(警棒になる前の材料)の特性であるため、警棒として加工される構造や機構、熱処理方法やジョイント部分*の加工、製造方法等により異なる特性になる事もあります。
【4130鋼】4140鋼と比べて炭素含有量が低い為、高い強度と耐衝撃性、柔軟性(熱処理等が容易)や靭性(粘り強さ)に優れており、衝撃で折れや曲がりに強い特性を持ちます。
【4135鋼】高い強度と耐衝撃性に優れており4140鋼ほど硬くなく、4130鋼ほど靭性がない中間的な特性で、他の材料(4140鋼)と比べると、通常は製造コストが高くなります。
【4140鋼】高い疲労強度と耐衝撃性、強靭性があります。若干重く非常に硬い為、耐摩耗性は高く長期間の使用に向いていますが靭性が低い為、強い衝撃でヒビが入る事があります。
【結論】どの鋼材(鋼種)が警棒に最適か?▶衝撃耐性や靱性を重視するなら4130鋼、費用対効果が低くてもバランスの取れた性能を求めるなら4135鋼、硬度や耐久性を重視するなら4140鋼ですが、上記に記載のとおり警棒になる前の材料の特性です。警棒に使用される鋼材(鋼種)の中で最も多いのは4130鋼で、次に4140鋼、次に4135鋼ですが、代表的なブランドや強度試験などの規格に準拠した製品、鋼材であれば過度に悩む必要はないでしょう。
ジョイント部分* 一般的なフリクションロック警棒(ASPバトンや他のブランド)の重要な部分と言っても過言ではない、ジョイント部分(テーパー部分など)は以下の方法で製造されています。
【1】冷間引き抜き(Cold Drawing) 鋼管を引き延ばして成形する事で強度を確保します。トップブランドの一般的な量産警棒ではこの方法が採用される事が多いです。
【2】プレス成形(Press Forming) 警棒の各セクションの端部をプレス機で潰してテーパーを形成します。低コストで製造できますが削り出し(ミル加工)に比べて精度が落ちます。
【3】スピニング加工(Metal Spinning) 回転させながら金属を成形する技術で、特にアルミ製の警棒(アルミ部を含む警棒)等に使われます。強度を保ちつつ軽量化が可能です。
【4】溶接・圧着(Welding & Crimping) 一部の廉価な警棒ではジョイント部を溶接や圧着で固定する方法もあります。ただし、この方法は精度や耐久性に劣る事が多いです。
【ピースキーパー警棒】Peacekeeper Products International RCB Expandable Batonは
高品質な製造プロセスを採用しており、特にテーパー部(先細り部分)については高精度
ミル加工(milling)で削り出しが行われています(≒Winchester Expandable Baton)。
▶CNCミリング(CNC Milling)コンピューター制御のミリングマシン(CNC
フライス盤など)を使用し、精密なテーパー形状を削り出します。通常の押し
出し成形や鍛造ではなく、削り出しによる精度の高い形状と強度の確保が可能。
▶熱処理(Heat Treatment)ミル加工後、警棒の強度を高める為に焼入れや
焼戻しが施されます。これにより、優れた耐久性と衝撃吸収性が得られます。
▶研磨仕上げ(Polishing or Grinding)と表面仕上げ(Surface Finishing)は最終的に、
表面を滑らかに仕上げる為に研磨を行い、摩擦ロックの精度を向上させ、スムーズな伸縮
動作を実現します。無電解ニッケルメッキや電気亜鉛メッキ黒色クロメートで仕上げます。
これらの工程により、ピースキーパーバトンは他の警棒と比べてより強靭で精度の高い
テーパー部を持つとされています。これがThe ONE and DONE Baton(一度の打撃で
終わらせる)の誉れを持つピースキーパー警棒(≒ウィンチェスター警棒)の製造方法です。
ジョイント部分(テーパー部分など)の加工方法
規格準拠 警棒などにはいくつかの規格があり、その目的は主に警官や使用者の安全を守る事や、粗悪な品質の警棒や防具を防ぐ為にあります。代表的なブランドは各国の規格に準拠した製品ですが、規格テスト合格用の製品を製作する某国の悪徳メーカーなどには注意が必要です。
【1】NIJ規格(National Institute of Justice)
NIJ(アメリカ合衆国司法省国家司法研究所)は、アメリカの法執行機関向けに多くの安全基準を設定しています。警棒に関しても特に防護具や武器の基準を定める規格が存在します。NIJ規格は、警棒や防具が衝撃吸収性や耐久性、適切な操作性を満たしているかどうかを確認するための基準を示します。 例えば、警棒に対する耐衝撃性や強度、摩耗に対する耐性、使用時の安全性などの要素を検証する為のテストがあります(警官の安全を確保し、警棒が適切に使用できるか、過度に壊れたり劣化したりしないかを判断する為や 粗悪な製品を防止し、一定以上の品質を保持することを目的としています)。
【2】EN規格(European Norms)
EN規格はヨーロッパで適用される標準規格で、防具や警棒にも関わるものがあります。特にEN1300という規格は、防具や警棒に対する耐衝撃性や品質基準を設定しています。EN規格では、衝撃吸収や耐摩耗性、物理的特性に関する基準が詳細に示されており、警棒の使用者が安全に扱えるように規格を設けています。警官や一般市民の安全を守る為に、品質が確保された製品を使用することを促進しています。
【3】ANSI規格(American National Standards Institute)
ANSIはアメリカの標準化団体で、さまざまな製品に関する基準を制定しています。警棒に関してもANSI Z87.1という基準が、視覚的な防護具やヘルメットなどとともに、警察用の装備に関連する安全基準として制定されています。 ANSI規格に準拠する製品は、一定の安全基準を満たす事を証明します。警棒が衝撃に耐え、使用時に破損しない事が確保されます。製品の品質管理を確保し、警察官が安全に使用できる製品が市場に流通するようにする為や粗悪品の市場流通を防ぐ為の規格です。
【4】その他の規格
ISO規格(International Organization for Standardization)は国際的な製品品質の基準。警棒や防具に関しても、耐衝撃性や製品の品質管理基準が設定されている事があります。 ASTM規格(American Society for Testing and Materials)は主に材料のテストに関する基準を定めており、警棒の材質や加工に関する規格もあります。
無意味なテスト まず、警棒の存在意義について考えてみましょう。法執行機関であれ個人の自己防衛であれ、警棒は主に人の違法行為を抑止し、必要に応じて人を制圧するために用いられます。具体的には身体に打撃を加える事で相手の動きを封じるほか、法執行機関においては公共の安全を維持する為の手段としても機能します。また、例えばドアの前でノックすると発砲された際に被弾する危険がある場合などに警棒を使ってノックしたり、自動車に閉じ込められた人を救助する為に警棒で窓を割ったりします。その他、不審な箱や鞄を探る際などにも利用されます。このように、警棒は様々な状況で有用で利用されます。ダミー人形や対人トレーニング動画は有用で、同シリーズのアルミとスチール警棒の強度を比較する動画や、曲げ試験用の機械を使用した警棒の曲げ試験動画(規格テスト)は目安として参考になります。
近年、多くの販売店やインフルエンサー(YouTubers, influencers, and so on)が、警棒の耐久性を誇示する為に、コンクリートやレンガを叩いたり、車で轢かせたり、投げつけたり、落としたりといった過激なテストを行っています。しかし、これらの派手な演出や耐久テストに実際の実用性があるのでしょうか?現実の戦闘状況を考えればその答えは明白ですが、人間の身体はコンクリートよりもはるかに柔らかく、打撃を受けた際に衝撃が内部組織によって吸収・分散される事でダメージが深部へと加わる為、コンクリートを叩く時のような反動はほとんど生じません。また、実際の戦闘では相手は動的であり単なる固定物とは異なります。さらに、攻撃者が武器を持っているケースも多く、本当に重要なのは防御方法や警棒の効果的な打撃ポイント、警棒による打撃が人体にどの程度の影響を与えるのか等を正しく認識すること事ではないでしょうか。その為には、警棒のインストラクショナルガイドや練習セッション、実演ビデオや警察官のボディカメラ映像などを視聴して分析する方がはるかに実践的な学びとなるでしょう。(一部の映像はYouTubeでも視聴可能です)
YouTubeで視聴できない内容の警察官のボディカメラ映像や世界各国のリアルタイムライブまたは数時間前に撮影されたモザイクの無い実際のグロテスクでリアルな映像等はYouTubeでは視聴できないものの、特定のサイトで視聴できます。これらの映像を目にすると、大半の人は深いトラウマを抱える事になるでしょう。もしかすると、何も知らない方が幸せかもしれません。しかし、現実を直視する事で、人間がどれほど愚かで危険な存在であるかを認識する機会にもなり得ます。(Elite Membership Exclusive Website | Wrongful incidents and other footage caused by humansページにリンクをご用意しております)
初心者の方へ 警棒を持つ(購入する)初心者の方へ。警棒は長くて重いものほど最強だと思われている方が多いですが、それは一理ありますが完全には正しくありません。例えば上記で紹介しているピースキーパー警棒は他の警棒と比べてより強靭でThe ONE and DONE Batonの誉れを持つという評価を受けていますが、実戦の際にこの警棒を使いこなせるスキルや体力などが無い場合は、致命的な被害を被りかねません。特に怪力や腕力の強い人を除く一般的な日本人の体形の方で、ピースキーパー警棒の29インチ(長さ約742mm・重さ約833g・主に機動部隊の群衆制御用=クラウドコントロール用)を鍛錬なしで思うように扱える人は少ないのが実際のところです(何とか扱えるのは扱えないに近い)。鑑賞用ではなく、実際に使用する目的で購入するのであれば、または長くて重い警棒を必要とするならば、少しでも鍛錬を積みスキルを磨くか、もしくは自分の体力や使用目的に合った警棒を選びましょう。
欧米諸国の警察官の装備する警棒の標準的な長さは一般的に21インチを基準とされています(21インチは長さが適度で携行しやすくかつ効果的な使用が可能な為、警棒のインストラクションガイドや訓練セッション、実演ビデオなどで使用される事も多いです)。近年では、21インチに加えて、より幅広い犯罪のケースや場面に対応できる24インチや26インチのモデルも多く装備されています。 一方、16インチの警棒は携行性に優れ、目立たず持ち運ぶのに適しているため、接近戦や特定の状況下では高い優位性と強い制圧力を発揮します。また、屋内やベッドサイドでの護身用としては16インチや21インチが適しているとされています。ただし、最適な長さは使用者の目的や使用環境によって異なるため、それぞれの用途に応じて選択することが重要です。 因みに日本の警察官が現時点で装備している警棒の長さは、2006年11月に規格が変更された約26インチ(約65cm)鍔(ツバ)付きです。余談ですが、日本の警察官や警備員などが自信満々で装備している「さすまた」はホーンツイストブレイク(詳細は特会ch-YouTubeをご視聴下さい)を知っていれば簡単に無力化+逆攻撃できますので実際に装備していてどうなのでしょう?(恐らくその訓練はしていないでしょう)
警棒を手にすると、いざという場面で気持ちと体が前に出てしまい、最も重要な要素であるターゲットとの距離(間合い)をコントロールするのを忘れて攻撃を続け、距離が近すぎて相手に反撃されやすいことがよくあります。特に刃物などを所持しているターゲットとの攻撃や防御には、常に距離(間合い)をコントロールする事を忘れないで下さい。
最強の警棒 最強の警棒はどれか?ここまで述べてきた内容をまとめると、この答えは使用者の体力や技術レベル、目的、そして使用環境によって大きく異なるといえます。長くて重い警棒は確かに打撃力に優れますが、使用者が十分にコントロールできなければ宝の持ち腐れとなり、打撃の精度が落ちたり、最悪の場合は落下や奪取といった危険にもつながります。特に、トレーニング経験が少なく一般的な体格の初心者であれば、主要メーカーのASP(エーエスピー:米)、BONOWI(ボノウィ:独)、Monadnock(モナドノック:米)、Smith & Wesson(スミス&ウェッソン:米)の21インチ~26インチモデルなどが汎用性と扱いやすさのバランスに優れています。屋内使用や接近戦を想定する場合は16インチ前後の短めのモデルが取り回しやすく、周囲への干渉も少なくなります。腕力や体力に自信があればPeacekeeper(ピースキーパー:米)といったパワー向けモデルも選択肢に入るでしょう。
警棒選びでは長さや重量に加え、展開方式、収納性、材質、グリップ形状や滑り止め性能なども重要です。ロック方式については近年メカニカルロック式が徐々に普及していますが、信頼性の高さから法執行機関では依然としてフリクションロック式が主流となっています。数あるブランドの中でも、Monadnock(モナドノック / USA)は警棒メーカーとして最も長い歴史を持ち、強靱な鋼材、優れたバランス、そして高い信頼性で知られています。米国を中心に各国の多くの警察官や法執行機関、民間警備会社で採用され、一度モナドノックを手にすると他の警棒には戻れないと評されるほどです。さらに、ASPよりもリーズナブルな価格でありながら質と性能の両面で高評価を得ておりコストパフォーマンスにも優れています。
ASPは積極的なマーケティング戦略(他社はマーケティング戦略において控えめです)などにより世界的に有名なブランドで、特に私服警察官(刑事・捜査員など)に多く採用されています。BONOWIはカムロック機構による収納の容易さから欧州の警察や特殊部隊で人気があります。長年の実績と耐久性、そして現職の警察官の実戦での信頼性を重視するなら、やはりMonadnock(モナドノック)は最有力候補といえるでしょう。また、日本の護身用品販売店ブランドでも4130・4135・4140鋼を使用した警棒がリーズナブルに販売されていますので、まずはこれらを初めの1本として使い、経験を積んだ上で上記のブランドのような本格的なモデルへステップアップし、さらに、用途に合わせて使い分けると実用性が高まります。
警棒の破損 規格に準拠しているブランドの警棒で、強い打撃(特に警棒の材質が持つ強度と同等、またはより硬いものに)を加えた際に折れたり曲がってしまったという事を稀ですが聞いたり実際に観た事があります。このような事が発生するのは製造品質の問題(ゼロとは言えませんが可能性として低い)などではなく、メーカーや代理店(販売店)、使用者が無知なのが一つの大きな原因であると言えるでしょう(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇を知らない)。〇の部分を当ウェブサイトで一般公開するとメーカーや販売店、他店で購入された使用者が異議を唱えてくると思いますので伏せておりますが、下記のウィブサイトなどでは既知の情報です。
当頁について 当ページの情報はElite Membership Exclusive Websiteのコンテンツの一部を表示したもので、海外のInternational Police Association, IPA・Office of Justice Programs・Police1・AMU・Peoplesafe・Thomas Jefferson University・Military.com・Army.ca・The Firing Line・BladeForums・TypicalEDC・その他などから引用(抜粋)した情報を含みます。

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